「ボイラーマン」公演パンフレット戯曲本
総ページ数:288P
戯曲掲載
キャストインタビュー オリジナルビジュアル写真 稽古場写真
仕様:「天アンカット」という上の部分をあえて切らないペーパーバック風デザイン
<公演概要>
赤堀雅秋プロデュース「ボイラーマン」
作演出:赤堀雅秋
出演:田中哲司 安達祐実 でんでん 村岡希美 水澤紳吾 樋口日奈 薬丸翔 井上向日葵 赤堀雅秋
<STORY>
冬、夜が更けつつある頃。
古いマンションを挟むようにY字になった二股の道があり、
左には石段、右には細い路地が続いている。
電話ボックス、自動販売機、ごみ集積所、放置自転車。
何処にでもある片隅の光景に、一人、喪服の女(安達祐実)が現れた。
続いて石段の上からは中年男(田中哲司)。
互いをやり過ごした後、残った男は煙草に火をつけ、
それをマンションの住人である中年女(村岡希美)が見咎め、糾弾する。
体調の悪そうな警官(赤堀雅秋)が現れ、中年女とのやりとりから、
この町で連続放火事件が起きていることがわかる。
さらには奇矯な言動の老人(でんでん)と、彼を庇護する様子の小柄な女(井上向日葵)、
喪服の女のつれの男(水澤紳吾)、マンションに住むキャバクラ勤めの若い女(樋口日奈)と
彼女を追い回している様子の若くもない男(薬丸翔)という
手近な関係以上には繋がるはずのない9人が、
その夜、偶然Y字路の周辺で行き会った。
そこに行かねばならない、居なければならない理由は
きっと誰にもなかったのに。
消防車のサイレンが聞こえてくる。
夜空が明るくなるほどの火の手が上がり、町を赤く照らし出す。
中年男は甲州街道を見出せるのか。
彷徨う9人は夜の涯てを越え、朝に辿り着けるだろうか。